相談事例

配偶者と直系尊属の相続

被相続人Xさんには配偶者である妻Yさんと両親の父Aさん、母Bさんがいますが、子はいません。

(図)配偶者と直系尊属の相続

相続人

この場合、Xさんの相続人は、配偶者(妻)であるYさんと、子供がいないため、両親の父Aさんと母Bさんの3人です。

法律上の法定相続分は、妻Yさんが3分の2、父Aさん、母Bさんが6分の1ずつです。

遺産分割のポイント

Xさんの相続財産は、おおまかに自宅の土地・建物(評価額2,000万円)と預貯金(500万円)でした。Yさんは、義理のご両親ということもあり、自分から積極的に分割協議の内容を切り出しづらかったのですが、父AさんがYさんの立場を察して協議をまとめてくれました。自分たちもいずれ相続が起こること、現在の自分たちの生活は年金等の収入で全く不自由していないことから、Yさんに自宅の土地建物と預貯金の半分を相続させ、AさんとBさんが預貯金の半分を相続する内容で分割協議がまとまりました。Yさんは、法定相続分以上の財産を相続することができ、現在がその感謝も含めてAさんとBさんの面倒を定期的にみるようになりました。

配偶者と兄弟姉妹の相続

被相続人Xさんには配偶者である妻Yさんと兄Aさん、兄Bさんがいますが、子がなく、父Aさん及び母Bさんは既に亡くなっています。

(図)配偶者と兄弟姉妹の相続

相続人

この場合、Xさんの相続人は、配偶者(妻)であるYさんと、子供と直系尊属がいないため、兄弟である兄Aさんと兄Bさんの3人です。

法律上の法定相続分は、妻Yさんが4分の3、兄Aさん、兄Bさんが8分の1ずつです。

遺産分割のポイント

Xさんの相続財産は東京都郊外の自宅の土地(約160坪)・建物と多少の預貯金のみでした。遺言も残っていないため、Yさんと、Aさん、Bさんの3人で分割協議をすることになりました。Yさんは、年金や自分の名義の賃貸アパートの収入があり、住むところだけは確保したい思いでした。一方、Aさん、Bさんは、それぞれ自分自身の収入が年々少なくなっており、お互いの妻から少しでも遺産を分けてもらうように言われていました。そこで、土地を40坪分筆()して、Yさんが土地120坪と建物を、AさんとBさんが土地40坪をそれぞれ相続することにしました。

分筆・・・1つの土地をいくつかの土地に分けること